大和郡山市
瀬藤麻也乃ピアノ教室
Pianopianoter
Tel: 0743-52-4368
Email: mayanopianoter@gmai.com
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ご了承ください。
新しい年の最初の月ももう終わり、
いよいよ発表会が目の前に近づいてきました。
去年の夏にレッスンを始めて、
手首ふわんや左右3つ~5つの音と位置を覚えたばかりの
小さいみなさん、
新しいテクニックでワンステップアップしたみなさん…
全員がしっかり練習の成果が出せるようにと願っています!
今年は(今年から?)お母様方にもソロ演奏を楽しんでいただくプログラムを作りました。
みなさん本当にお上手!毎回ミニレッスンをさせていただくのがとても楽しみでした。
そのミニレッスンの中で、何人かのお母様がおっしゃったことは、
(理想の音を出すための)ちから加減が難しいですねえ…💦
ほとんどの人がそう思っておられるのですが…
ピアノで理想の音を作るために必要なのは力加減ではなく
「重み加減」なのです。
音楽の中では、フォルテは強く大きく、ピアノは弱く小さく、という「音量」感覚は、
実はほとんど役に立ちません。
大きな音だけれど、やわらかくふくよかな音。
小さい音だけれど、輪郭が印象に残る輝く音。
音楽はボリュームの大小ではなく、「どんな音色を作りたいか」が常に先にあります。
それを実現するのは、腕から流す重みの量のコントロールです。
今、みなさんの肩から指先までを、しなやかなゴムホースだとイメージしてください。
お庭の水まきに使うあのゴムホースです。
このホースの先端は5つに分かれています。
さあ、蛇口をひねって水を出してみましょう。
水を一気に最大限に出すと、
ホースはまるで生きた蛇のように躍り上がって勢いよく水をほとばしらせます!
水の量を加減したら、花びらを傷つけないような、とろりとした優しい流れにできます。
このゴムホースそのものには変化するエネルギーはありませんが、
水という無限に柔らかいエネルギー(重力)を流すことで、
激しい蛇にも鞭にも、甘い蜂蜜の滝にもなれます。
でも、もしこのゴムホースの内側に小石や砂利がびっしり詰まっていたらどうでしょう?
いくら蛇口を最大限にひねっても、
5つの出口から流れる水はチョロチョロとまるで頼りない量になってしまいます。
それだけではなく、
無理に水を流し続けたら、ホースそのものがパンクしてしまいます!(痛みや故障)
この内側の硬い小石や砂利が、「力み」です。
ほとんどの人は、最初は自分の腕、手首、指に力みがあるかどうかわかりません。
意識的に脱力して、自分の手指や腕の重みを自覚したことがほぼないからです。
何度もくり返してお話ししましたが、
この自覚の最初の一歩は腕(しだれ柳・虹づくり)、手首(手首ふわん)です。
これらはホースの内側を柔らかく保ち、小石や砂利を詰まらせないための最初のトレーニングです。
アコースティックピアノの練習で1の指から順番に弾かずにまず3の指から練習するのは、
指先から腕を通しての脱力のための、一番大きな動きを覚えやすいからです。
…でも、フォルテで速く弾く曲はたくさんあるし、あれは力を使ってるじゃない?
「フォルテを速いテンポで弾く」とは「大きな重みを速く落としている」ということです。
蛇口を一気にひねったら、ホースは急激に跳ね上がり、
ゆっくりゆるやかに蛇口をひねっていけば、ゆったりと動き出すのと同じですね。
では指はどうでしょうか?
「指で弾かない!」「指弾きしない!」…
大きいみなさんは、レッスンの時にしょっちゅう注意されていますね。
えー?💦ピアノって指で弾くものじゃないの???
ピアノを弾くときの指の役割はなんでしょうか?
ピアノを弾くときの指の役割は、
1・鍵盤上の方向を決めることです。
ホースのたとえに戻すと、右の花壇にお水をあげるときはホースを右に向け、
左の花壇にお水をあげるときは左に向けますね。
ピアノを弾く指は、音符に沿って鍵盤上の方向を定め、そこに重みを流して打鍵します。
もしこのホースに適度な弾力と厚みがなく、
ビニール袋のように薄っぺらでふにゃふにゃしていたらどうでしょうか?
いくら水の力を強めても、右左に向けても、
ぐんにゃりして、安定して狙ったところに水を向けられませんね。
ましてお花にそっと水をあげたい時など、持った手元で折れてしまって役に立ちません。
ホースがしっかりしていれば、
遠くの花壇にもお水をピューっと気持ちよく飛ばすことができます。
2・重みの最終調節をして音色を決めることです。
さて、お庭に水はたっぷりあげました。
今からこのホースでちょっと遊んでみましょう!
地面にこのホースを使って絵や字を書いてみましょう。
太い線や細い線…どうやって作りますか?
ちょっとホースの先を指で押してみたら、水の線をいろいろ変えられますね!
ピアノもこれと同じです。
水の量は少しでも(P)、指を引き締めて鍵盤をコツンと打つ感じ(ホースの先を細くする)
にすると、小さな宝石や星がキラリと光ったような艶やかな音色を出せます。
太い線を描きたい?
それならホースをぎゅっと握らないで、ありのままの太さ全部を使えるようにしましょう。
そしてホースの先も同じように余計な力を抜いて、つぶさないようにします。
やわらかなフォルテ、おおらかなフォルテは、すべての重みを指に送り届けるイメージで、
腕全体を指に向かって押し寄せて作ります。指先はゆるめて開けっ放しにしておくのです。
この大切な役割を果たすために、指そのものをしっかり鍛えるわけです。
水を遠くに飛ばしたり、手元にそっとやさしく流しかけたりできること。
先端を無段階に微調整できること。
これができるのは厚みと弾力のある、自立したホースです。
薄くて弱いビニール袋のホースでは絶対にできません。
先月号の「テクニックをつけよう」で話しましたが、
小さい人の消しゴムエクササイズ、ハノン、スケールはこの強靭な指づくりの必修科目です。
そしてレパートリーではテンポの速い曲と、スローテンポでリリカル(叙情的)な曲の両方を
バランスよく練習して、様々な表現方法を身につけていきましょう。
基本の脱力の上に、指の筋力を適度に使いながら色彩豊かな音楽を作っていけるように、
いろんなレパートリーを増やしながら練習していきましょう。
今教室の小さな生徒さんたちが取り組んでいる
美しい音作り・手首ふわんプロジェクト。
最近のみなさんのおけいこの状況はというと…
すばらしい!
ほぼ全員がしっかり意識しながら弾けるようになってくれています!
手首や指のフォーム、自分の音をしっかり聴く…
どれも本当によくできています♪
今日はピアノを習い始めたみなさん、
これから習おうと思ってくださっているみなさんに、
ぜひ知ってほしいことをお伝えしましょう。
それが「ピアノを弾くための大切な3つの柱」です。
1番目の柱、
それは「表現力」です。
私たちがピアノを弾きたいと思うのは、
ピアノの音色を通して自分の心を表現したいという欲求があるからです。
うれしい時にはそれが世界中の人に伝わるような明るい音色や響き、
さびしい時にはやさしく寄り添ってくれるような暖かい音色…
音色とは、私たちにとっての顔の表情です。
私たちの顔の表情は、生きている証です。
表現力とは、この生き生きとした心を伝える力です。
小さい生徒さんは、きれいな音、汚い音の違いを聴きわけること、
音の高さを動物で、強弱を気持ちでイメージすることなどを通して
自分の心とピアノはつながっているんだ、
いろんなことを表現できるんだということを
少しずつ理解していきます。
かわいい作曲も表現力のための大切な訓練です。
2番目の柱、
それは「正しい姿勢・正しい打鍵」です。
自分の気持ちを充分表してくれる音色作り、
ピアノという楽器の力を最大に引き出す弾き方、
それが「正しい姿勢と正しい打鍵」にかかっています。
リンゴやたまごを持つ手の形。しだれやなぎの手のフォーム。呼吸の仕方。
手首でふわんと力を抜いて…これらはすべて、この2番目の柱です。
3番目の柱は「楽譜を読む力」です。
「楽譜を読む力」とはリズム、音名、シャープやフラット、強弱、和音の性格…
つまりみなさんが勉強しているソルフェージュと楽典そのものです。
どんなにピアノが好きで、美しく弾きたいと思っていても、
どんなに正しい姿勢と正しい音の出し方を知っていても、
楽譜が読めなければ何も弾けません。
この3つ目の柱をしっかり立てるために、
ソルフェージュと楽典がどんなに役に立つか、
よくわかってもらえると思います。
この3つの柱のどれがフラフラしていても、
いい演奏はできません。
でも、この中で大黒柱のような存在、一番大切な柱があります。
それは「表現力」です。
正しい姿勢と打鍵、楽譜を読む力は、
この表現力にしっかりとつながっています。
小さい生徒さんたちが使っている「不思議な音の国」は、
この3つの柱を習い始めの最初から、
楽しく無理なくしっかりと身につけられる教本です。
さあ、自分の身体の動きと音色のつながりをよく考えながら、
楽しくおけいこを続けましょう。
みなさん、ゴールデンウィークは楽しく過ごされましたか?
私は友人たちと食事に行った以外はひたすら書いて弾いて…
かなり充実していました(笑)
「今月の作曲家」はワーグナー。ワーグナーの紹介は、
オペラの説明抜きにすることはできないし、
彼の生涯はいろいろ複雑なので困りました。あんまりいい人じゃないし💦
ところで私がワーグナーに会ったのは大学生の時です。
え??会ったの!?
はい、以前も紹介したヴィスコンティの映画
「ルードヴィヒ 神々の黄昏」という映画の中で
トレヴァー・ハワード演じるワーグナーは、
もう間違いなくこんな人物だったに違いない!と確信できるくらい、 ものすごくリアルに思えました。
芸術を愛する純真な若い王を手玉にとる、
その老獪さは観ていてイライラしたものです。
でも、彼が年老いた自分に息子を産んでくれた妻コジマのために、
邸宅の階下で「ジークフリート牧歌」を捧げるシーンは本当に美しい絵のようで、
それもまた複雑な気持ちになりました。
さて、先月末からレッスン室にホワイトボードが登場しました。
小さいみなさんがおうちでの練習を習慣にできるように、
「れんしゅうのきろく」が貼ってあります。
競争ではないから、だいじょうぶ。
みんなで一緒にがんばりっこしたら、きっとぐんぐん上手になりますよ。
R君は「小学生までなのはなんでだよ~」って。
中学生さんのお母さまからは「うちの子の名前も書いといてください💦」って(笑)。
中級レベルのみなさんは、練習しないとどうなるか、よーくわかっているでしょう?
となりのスペースには、上手にできた手のフォームなど、
みんなのいろんな写真を貼っていきます。
素敵な写真がいっぱいになるように、毎日練習しましょうね♪
4月になりましたね!
教室のみなさんも、新しい桜の道を通い始めたり
すずらん組さん、ほし組さん…新しい名前のクラスに進級したり、
うれしい毎日でしょう。
ピアノレッスンも、発表会や進級をきっかけに
練習の意欲がアップして、どんどん進み始めた人が増えています。
先生としてはとってもうれしいことです^^。
さて、その練習ですが、
みなさんは練習にどれくらいの時間を費やしていますか?
片手ずつで○○ページまで。
両手で最後まで止まらずに引けるまで…
もちろん、このやり方でもうまくいっているならかまいません。
でも学年が上がって学校や塾の帰りが少し遅くなったり、
曲のレベルが上がってきたら、
「~ができるようになるまで」「楽譜のここまで」
というあいまいなやり方では
どんどん練習不足になってしまいます。
小さい生徒さんも、毎日の練習で「~ができるようになるまで」を目標にすると
思っているよりずっと長い時間が必要だとわかり、
本人もお母さんもくたびれてしまいます。
そして逆に「今日はおけいこしたくない!」
という気まぐれな練習癖を作ってしまいます。
こんなことを試してみてください。
タイマーを1曲につき10分にセットして、ピアノのそばに置いて練習するのです。
小さい人ならもっと短い時間を、年齢やレベルに合わせてやってみてください。
それぞれその時間のあとは、5分間の休憩をセットします。
(小さい生徒さんは3分程度にしましょう。)
そしてこの10分の練習の時間は、決して椅子から立たないでがんばりましょう。
おやつをつまみに行ったりおもちゃをさわったりしない10分間で
どれだけのことができるか―
実際に体験してみましょう。
「20分をセットして5分休憩」は継続しやすいパターンです。
これを1日3クールやると、1時間練習したことになります。
たとえ1クールでも20分間集中した練習は
とても充実したものになります。
このタイマー練習をしばらく続けると、
練習内容もどんどん良くなっていきます。
例えば両手で譜読みができるようになった頃の20分では
最初から最後まで何回も弾き通すことに時間を使いがちです。
所々つまづいているのに、そこをひろい出して部分練習することよりも
最初からつらつらと弾く方が、上手に弾いている気分になれますね。
けれども20分!とタイマーをかけると、
刻々と減っていく時間がはっきり目に見えます。
「ああ、あと10分か…あんまり中身のあることをしていないなあ…」
「残りの10分であの引っかかるところをがんばってみようかな」
こんな風に自分の練習内容をしっかり意識できるようになります。
制限のある時間の中で、つまずくところをやろう!と取り組めるようになります。
小さいみなさんはこの毎日の積み重ねの力が、あっという間にはっきりわかります。
こんなふうに小さな時間のかたまりを作って、
その中で「何ができるようになったか」を毎回しっかりと確認してください。
ここがうまく弾けるようになったな、という手応えを感じることは
とても大きなモチベーションになります。
小さいみなさん、ピアノはとってもさびしがり屋さんなのです。
せっかくみなさんのおうちに来て、毎日いっしょにいる家族になれたのに、
昨日は一度も弾いてもらえなかった…今日も弾いてもらえなかった…
これではピアノはとてもかわいそうですね。
みんなで遊びに行った日は、ピアノはおうちでおるすばんです。
そんな日は帰ってから1回だけ、1曲だけでも
おけいこしている曲を弾いてあげてください。
少しずつでも毎日弾くことを続けて、ピアノと一番のなかよしになりましょうね。
ニュースレター4月号 「ある日のレッスンから」より
3月も終わりに近づきました。
6年生のみなさん、小学校卒業、おめでとうございます。
思い出いっぱいの小学校時代を終えて、新しい出発も間近ですね。
そして発表会でがんばったみなさんは、お疲れさまでした。
独奏、テーマ演奏、連弾、それに作曲と、たくさんの演奏でしたが
練習も一生懸命取り組んでくれました。
本番の演奏には、ひとりひとりいろんな気づきがあったことと思います。
今年の発表会は門下で初めての出演になった人がとても多く、
みなさんの初ステージがどうなるかと先生もドキドキでしたが、
全員立派に弾いてくれてとてもうれしく思いました。
それぞれの演奏ぶりから、来年どんな曲に挑戦してもらうかを楽しく考えています。
そしてこれからの1年は,より一層音楽的に弾けるように
大きい人も小さい人も美しい音色の作り方をしっかり学んでいきましょう。
さて、その美しい音色と聞いてみなさんが思い浮かべるのはどんなイメージでしょう?
「やさしい感じ」「ゆったりした静かな感じ」でしょうか?
いいえ、そうではありません。
美しい音色、それは雪がしんしん降り積もるようなピアニシモの時もかき消えず、
嵐のようなフォルテシモの時も決して怒鳴り声にならない、
素晴らしいオペラ歌手の歌声のような、しっかりした響きのある「発声」のことです。
鍵盤を打った瞬間の音(基音)ではなく
その後の響きに美しさがある、と考えてください。
頭ではなく、しっぽが艶やかで豊かであることが
ピアノの美しい音色の秘訣です。
そのためにはもちろん、打つ瞬間の音を注意深く弾かなくてはいけませんね。
ピアノはとても正直で、私たちの心の状態をそのまま映してしまう鏡です。
私たちが何も考えずに叩くと
ピアノは物がぶつかった時と同じ「衝撃音」でこたえます。
たまたまピアノだから、それが「ド!」だったり「シ!」だったりするわけですが、
同じタッチで机やガラスを叩けば「ペタン!」「ガチャン!」という音になるでしょう。
ところが習い始めの頃は、何も考えずに叩いているということにも気づけません。
ひとつは弾くべき音符、正しい鍵盤の位置、指づかいなど
ルールで頭がいっぱいだからです。
もうひとつは、ピアノというのは押せばいつも同じ音が出る…と思い込んでいるからです。
同じ音、それは音程としては同じ音ですが、
音色は鍵盤の触れ方で万華鏡のように変化します。
その「触れ方」を決めているのが、指ではなく、実は手首です。
なんだかむずかしそう?とんでもない!
みんなちゃんとできていますよ、手首で深呼吸を習ったでしょう?
これは手首の呼吸の基本の一歩で、ここから手首の使い方を音作りにつなげていきます。
くわしいやり方はひとりひとりレッスンの中で学んでいきますが、
この練習は音数の少ない、ゆっくりした曲で練習します。
手首の動きと響きに集中するためには、複雑な譜読みや速いテンポの曲ではできません。
その成果を自分のレベルの曲に応用していくようにしましょう。
最初はちょっぴり退屈だったり、弾きにくい…と思うかもしれないけど、
コツをつかんだら、試しに今まで弾いた曲の中から簡単なものを弾いてごらんなさい。
自分の音色や歌い方の変化にびっくりしますよ!
春はみんなが卒業、そして進級です。
ピアノもひとつ進級して、より美しい演奏を目指しましょう。
寒い、寒い、さむ~い! みなさん、体調はどうですか?
2月に入ってから、インフルエンザの大流行で、レッスンもお休みが続出…
しかもなぜか女の子ばかり、男子は元気いっぱいのようです。
発表会を来月に控えた大切なラストスパートの月、
くれぐれも体調管理に注意して、しっかり練習してくださいね。
発表会は自分の1年の成長の記録、節目ですが、
もうひとつ、
おうちの方の応援があっての1年だったことを思い出しましょう。
お母さま、お父さまに自動車でレッスンの送り迎えをしてもらったり、
毎日の練習を手助けしてもらったり。
発表会に出られること、素敵なドレスを整えていただけること…
みなさんはこれらを当たり前だと思ってはいけません。
発表会の前に、
いつもみなさんのピアノを応援してくださっているお母さま、お父さまに
ありがとうの気持ちをしっかりお伝えしましょう。
この発表会によって、みなさんが学ぶことはたくさんあります。
発表会のための曲は、普段の練習の成果から見える一歩先の曲に挑戦します。
いつもより時間をかけて、細かい部分までていねいに練習し、完成を目指します。
これによってみなさんは、1つの目的に向かって根気よく努力することを学びます。
また、1曲に数ヶ月という長い時間をかけて完成度を上げることは、
音色やタッチ、楽譜の読み込みに対する意識を高め、実力を大きく伸ばすことが
できます。
これらは「発表会で、人前で弾く」という大きな目的がなければ、
なかなかできないことです。
この「人前で弾く」ことはとても緊張しますが、
同時に最も演奏に集中できる時でもあるのです。
でも緊張のあまりミスしてしまうことは、誰にでもありますね。
どうすればこの緊張を少しでもやわらげられるでしょうか?
それはもちろん、充分な練習です。
あれだけ練習したのだから、本番は絶対に成功させたい!という強い気持ちが
自分を支えてくれるのです。
この努力に裏づけられた強い意志は、
みなさんの将来のいろいろな場面で、とても大きな力になってくれます。
もうひとつは、音楽を楽しむ心です。
ミスして恥をかきたくない、
みんなに上手だと思われているからがんばらないと…
この気持ちの本当の主語は誰でしょう?
「わたし」のようにみえて、実は違いますね。
人にこう思われたくない、こう見られたい…
「誰か」を主語にしてしまった気持ちは、
みなさんの音楽をとてもつまらないものにしてしまいます。
とりあえず間違えずに弾けたらいい…
こんな後ろ向きな気持ちで演奏を済ませるなんて、本当にもったいない!
たとえミスなく弾けても、その直後には
「もっと積極的な演奏をすればよかった…せっかく練習してできていたのに…」
と後悔することになります。
自分が演奏を楽しみ、一生けんめい弾けば、
小さなミスやつまづきなどは
実は聴いている人たちにも、そしてあなた自身にも、
たいして気にならないのです。
この曲が大好きで、心を込めて一生けんめい練習して得た
その音楽の美しさ、演奏する楽しさを思う存分あなたが味わい、
それをみなさんと分かち合う気持ちで弾きましょう。
小さい人たちは、まず、発表会のお作法を学びましょう。
自分が弾く時は、恥ずかしがらずにきちんとおじぎをして、
「みなさんに聴いていただく」という気持ちを持ちましょう。
お友達の演奏を聴く時は、
席でもぞもぞ動いたり、おしゃべりしたりすると
弾いている人はとても気になって集中できません。
静かに、お行儀よく聴きましょう。
今年発表会に出られなかったみなさんは、
もし事情が許せば、ぜひ聴きにいらしてください。
発表会の雰囲気を知るチャンスです。
来年はぜひ参加して、
実力も心も、大きくステップアップしてくださいね^^。
それではラストスパートの1ヶ月、
素晴らしい本番を迎えられるように、
みんながんばってね!
新年あけましておめでとうございます。
みなさん、楽しいお正月を過ごされましたか?
3が日は素晴らしい晴天が続いて、とても清々しい1年の始まりになりましたね。
さて、新しい年には一年の目標を立てるでしょう?
ピアノのおけいこにも、自分なりに目標を立ててみて下さい。
その中にひとつ「今年はクラシック音楽をたくさん聴く」を加えましょう。
去年はみなさんそれぞれ、新しいことをたくさん覚えました。
ソルフェージュで音やリズムを覚えて、いろいろな曲を弾いてみたり。
難しい曲に挑戦して、さまざまな素早い動きを弾きこなすために
リズム練習に集中したり。
こうして一歩ずつ、いろいろな曲に近づいていくのですが、
そのためにもうひとつ、大切なことがあります。
それはよい音楽をたくさん聴いて、豊かな耳を持つことです。
ピアノが上手に弾けるというのは、間違わずにスラスラ弾けるだけではありません。
美しい音色と、その曲をよく理解して最も美しく運び、まとめることです。
みなさんの曲の中には「rit.」リタルダンドがよく書かれているでしょう。
これは「だんだん遅くする」という意味ですが、
いつも先生に何度もやり直しをさせられるのが
「いったいどのあたりから、どれくらい遅くしていくのか?」ですね。
また、曲の中のクライマックスや
ひとつひとつの音の意味や表情を感じ取って表現すること。
こうして文章にするとずいぶん難しい曲の話のようですが、
バスティンクラシックメドレーの「愛の夢」でみなさんはこれを勉強したでしょう。
三つ並んだ同じ音のひとつずつ、弾き方を変えて表情をつけましたね。
リタルダンドも、一粒の音の意味や表情も
ただ指先だけの練習だけでは身につきません。
これには楽譜から音楽を聴きとる耳が大きな鍵をにぎります。
ピアノを本当の意味で弾いているのは、実は「耳」です。
みなさんの耳がどれだけ美しい音色を知っているか
どれだけリタルダンドのテンポを聴いたことがあるか—
たくさんの美しい音楽を聴いている耳が、
指先に命令してそれを作らせるのです。
先生がよく言っている「内なる耳」とは、
この「音楽をよく聴いている耳」のことです。
12月号で紹介したベートーヴェン。
彼が耳がまったく聞こえなくなっても素晴らしい音楽を作曲できたのは
彼の「内なる耳」が枯れることのない泉のように豊かに生きていたためです。
この、よい耳を育てることと、ピアノの練習をすることは
ちょうどみなさんの成長と同じです。
たとえば腹筋運動をしたり、サッカーでドリブルの練習をしたりする時
がんばって続ければ、目に見えて上手になった、強くなったとわかるでしょう。
ピアノも一生けんめい練習すれば、
自分でもびっくりするくらいスラスラ弾けるようになります。
もうひとつ、みなさんは毎日ご飯を食べるでしょう?
牛乳は骨を強くする、お肉は筋肉を作る…
でも、今日牛乳を飲み、お肉を食べたからといって
すぐに背が1センチ伸びた!…とはわかりません。
何よりご飯を食べるときは「おいしいなあ」と楽しく食べていて、
「あ、今骨が太くなった!これでもうすぐ背が伸びるぞ!」なんて考えていませんね!
音楽を聴いている時も同じ、何も考えずにその美しさや楽しさを味わっているだけです。
けれどもみなさんの身体が知らないうちに成長するように、
音楽を聴くことも、知らないうちに耳を成長させてくれるのです。
聴いた音楽の雰囲気をすぐに手で再現するには時間がかかるかもしれません。
けれどもこれを続けていれば、手が耳に追いついて来た時に、急激に上達します。
レッスンで先生に口うるさく言われていたことが、ある時突然わかるのです。
クラシック音楽をたくさん聴くことは
小さいうちは自分一人ではなかなかできないことでしょう。
お父さま、お母さまは、毎日の生活の中に少しずつ音楽を取り入れてあげてください。
みなさんの演奏が、みなさんと同じように呼吸をし、歌い、感じる、生きた演奏になるように、
どうかよい耳、豊かな耳を育てていってくださいね。
今年も12月がやってきました。本当に1年の流れは早いですね。
このページでは、今までいろいろなことをお話ししてきました。
効果的な練習のしかた。ソルフェージュとは?音感とは?
ミスをなくしてスムーズに弾くためのコツ…
今月はソルフェージュや演奏練習のその先にあるもの、
ピアノレッスンで叶えたい夢について考えましょう。
みなさんがピアノに抱いている夢は何でしょう?
夢なんてない?そんなはずはありません。
恥ずかしがらずに、自分の心に聞いてごらんなさい。
知っている曲、大好きな曲をじょうずに弾きたい。
指を動かして鍵盤を押したら、音楽になるのが面白い!もっといっぱい弾きたい!
お友達やいろんな人の前でカッコよく弾いて、「わあ、すごい!」って思われたら…
うれしい時、悲しい時、ピアノが弾けたらいいな…
ピアノを習っていたら、こんなすごい曲も弾けるようになれるのがうれしい。
お父さん、お母さん、おじいちゃんやおばあちゃん…大好きなみんなに聴かせてあげたい…
ほら、いろんな夢があるでしょう?
先生はみなさんの夢を叶えられるように一生懸命レッスンしていますが、
先生にも夢があるのです。
それは、みなさんがいつか必ず、ピアノで自分の心を伝えられるようになること。
人間が生まれつき持っている楽器って何だか知っていますか?
それは自分の声です。
言葉をまだ知らない赤ちゃんでも、その泣き声や、あー、ぶぅー、という可愛い声で、
自分の気持ちを表しているでしょう?
大きくなって言葉を覚えたら、今度はその言葉に自分の気持ちを乗せて伝えますね。
「おはよう」という言葉をこうして文字にしても、これだけでは書いた人の気持ちは伝わりません。
でもこれを声にしたら…
明るい気持ちで「おはよう!」なのか、ふくれっ面で「おはよう」なのか、すぐわかります。そう、同じ言葉を発しても、声の「響き」で違いがわかるのです。
もっと細やかな気持ち、たとえば昨日お友達とケンカして、
夜ずっとそのことを考えてなかなか眠れなくて…やっぱり仲直りしたいな、
明日の朝一番に私からおはようって言ってみよう…
そう考えて、勇気を出して言ってみた「おはよう」はどんな響きでしょう?
私の「おはよう」を受け入れてくれるかな?仲直りしたいって気持ちが伝わるかな?
ごめんねの気持ち、わかってほしいな…
いろんな不安や優しさや、あなたが大好きっていう気持ちが入り混じった、繊細な響きでしょう。
私たちがどんなに隠しても、感じる心の強い人や親しい人には
すぐ本当の気持ちが伝わってしまいます。
嘘をついたりごまかしたりしたら、声はどこかうわずったり、
普段より大きくなったりしますね。
声という楽器は私たちの心とぴったりひとつになっているのです。
ピアノも声とまったく同じなのです。
ピアノを弾く時、ただ楽譜どおりに鍵盤を押すのに一生懸命で
何も考えていない…としたら、
ああ、何も考えずに弾いているな、とわかります。
反対に「ああ、この音はきれいだなあ、ここは好きだなあ」
と感じながら弾けば、
それもはっきりと伝わります。
私たちの身体と心は、ふたつに引き離すことはできません。
声もピアノも、自分の身体を使って発する「言葉(響き)」には、
かならず心がくっついてくるのです。
これは年齢や、習っている年月は関係ありません。
今、教室には4歳から60歳までの生徒さんがレッスンに来てくれています。
小さい人たちはほとんど同じテキストを使っていて、みんなまだ片手ずつでド、レ、ミ…
でも弾く音は一人ひとり、本当に違います。
ピアノの響きを味わって幸せそうに弾いたり、
おうちでおけいこしてきた!と元気いっぱい、得意な気持ちだったり、
初めての楽譜が思いがけずスラスラ弾けて、わあい!上手に弾けた!だったり…
ピアノは私たちの心の鏡のようです。
ひとつひとつの音に心を込めて、大切に生み出した響きは、
聴く人、聴かせたい人の心に届きます。
先生はみなさんに、その両方の人になってほしいと思っています。
ピアノで心を伝えられる人。
そして、ピアノに込められた心を聴きとれる人に、です。
どうかみなさんも、この夢を一緒に抱いてください。
練習するときはこの夢を心に刻んで、
それから目の前の課題、正しい指使いや正確な譜読みに
取り組んでください。
さあ、今年ピアノのおけいこを始めたみなさんも、
ひとつステップアップしたみなさんも、
来年もまたいっそうピアノを好きになれるように、
この夢と一緒に毎日楽しくおけいこを続けてくださいね。
テレビで人気を博しておられる脳科学者・澤口俊之先生の講演
「幼い頃からのピアノが脳を育てる」に行ってまいりました。
澤口先生といえばピアノと脳の関係についての研究で、とても有名ですね。
先生の講演のお話をご紹介しましょう。
現在学術研究上で実証されている限りにおいて、
あらゆるお稽古事—スポーツ、ダンス、演劇、英会話、ピアノ以外の楽器レッスンなどの中で、ピアノレッスンが最も脳の発達を促すことが明らかになっています。
5歳から9歳ごろまでに1日10分毎日ピアノ練習を継続すると、
2ヶ月で脳の発達が大きくアップすることがわかっています。
(生徒のみなさんはこれを読んで10分でいいんだ~♪と思っちゃダメですよ!)
ピアノは右脳と左脳をつなぐ脳梁を太くし、
思考と直感、理論と想像力のバランスをよくします。
ピアノが「脳トレ」とし脚光を浴びているのは、
左右の手で違う動作をするからだ、と思われがちですが、
実はそれだけではありません。
秘密はピアノの弦が生み出す倍音にあります。
アコースティックのピアノが生み出す音は最大30000ヘルツです。
人間の耳が捉えられる音は20000ヘルツまでです。
人間の耳にとらえられない音はムダになってしまうのでしょうか?
実はピアノは聞こえる音としてとらえるだけでなく、
弦の共鳴によって生まれる倍音(周波数)を脳に感受させます。
この倍音が脳を非常に活性化するのです。
ピアノの練習は、脳の前の部分、前頭前野に特に影響を与えます。
前頭前野は、「人間性知能HQ」「一般知能gF」「情緒知能EQ」
の監督役、総合センターになっている部分です。
HQとは、
目標を達成する力
夢に向かって計画し努力する能力
問題解決能力。
想像力や適応力…
ピアノはこのHQを大きく発達させます。
学習に直結する「一般知能gF」はこの前頭前野の中央にあります。
一般知能が高くても、HQが高いとは言えませんが、
HQが高くなると一般知能も高くなるのだそうです。
前頭前野だけではなく、小脳や海馬を大きくし、記憶力・高度な言語機能を発達させます。
これらの実証から、ピアノは発達障害の予防・治療に大変効果をもたらしています。
これは大人にももちろん有効で、いわゆる「脳トレ」にとどまらず、
認知症、うつ病の予防や治療にピアノレッスンが用いられています。
東大入学ナンバーワンの私立校、東京・開成中学は20年前からこれらの研究結果に着目し、
数学の授業の1コマをピアノレッスンとして、生徒全員に受けさせています。
これらの研究はすべて生のピアノによって証明されているもので、
残念ですが、電子ピアノではこれらの効果は望めません。
なぜなら電子ピアノは弦がなく、音はデジタル化された電子音源のため、倍音が作れません。
電子ピアノでの練習では、ピアノほどの脳に影響を与える力はないのです。
2021年から大学の入試方式が大きく変わります。
今までの学力テストに、「思考力・表現力・判断力」を評価するテストが導入されます。
これを受けて、ピアノコンクールの順位やグレードテスト(優劣を競うコンクールではなく、
自分の上達度を測るシステム)の受験年数などが内申書の加点対象になります。
ピアノが4年後の国の教育・人材育成方針「真の学力・人間力作り」の一端を担うのは、
指導者として本当にうれしく、身の引き締まる思いです。
ピアノは心を育て、脳を育てる。
今日の澤口先生のお話で、ますますこの言葉への確信を強めました。
ピアノレッスンの側面のひとつとしてお読みくだされば幸いです。
ニュースレター11月号「教室便り」から
「これってなんの音だっけ?」「ド!」
「そのとおり!じゃあこれは?」「レ!」
「そうだね!じゃあこれはなにかな?」「ミ!」
「わあ、すごいねえ!全部言えたね!じゃあもう一回、これは何だっけ?」
「…ド!…」
「じゃあもう一回、これは何だっけ?」とたずねた音は
ミのひとつ下のレです。
小さな子どもたちは、音を読むのも弾くのも下行が苦手。
ド、レ、ミ…と上っていくのはどんどん読めるし弾けるけど、
下っていくと、あらあら、さっき読めた音じゃないの、どうしたの?
となってしまいます。
こうなるとお母さまは途端にハラハラ。
「あ!間違えた!」「なぜできないの?」
「覚えが悪いのかしら…」
「練習しなさいってあれだけ言ったのに!」
レッスン中によそ見をしだすと
「この子はあんまり向いてないのかしら…」
etc.etc.…
そのお気持ち、とってもよくわかります。
私もそうでした。
でもどうぞ、あまり心配なさらないで。
たとえば上の例でいうと、
人間はもともと下行が苦手なのです。
駅の階段を思い出してみてください。
ホームから電車がまもなく発車…
きゃあ、待って!とダッシュで階段を駆け上がる時は
しんどいけれど、つまづく不安はないでしょう。
でも下りの階段だとどうでしょう?
気持ちは焦るのに、
足元が上りの時ほど一気には進まない。
下行は上行に比べて
人間の脳と身体のつながりをより必要とするのです。
高校生など若い人たちが
ホームへの階段をまるでカモシカのように一気に駆け下りるのは、
彼らの脳と身体のつながりが一番ピークの頃だから。
お年寄りはどんどん衰えていき、足元がおぼつかなくなります。
実際、お年寄りの階段での事故は、
上行より下行の方が圧倒的に多いそうです。
逆に小さい子どもたちは
まだ脳と身体のつながりが完全にできていないから不安定なのです。
また、小さいうちの集中力はまだまだとても短いもの。
キョロキョロしたり、あくびをしたり…
子どもたちは「もうくたびれたよー」
というサインをとっても素直に出してくれますから、
すぐにお手玉などに切り替えて身体を動かします。
こんな風に小さい子どもたちのレッスンは
お母さまには一喜一憂、
まるでジェットコースターかもしれません。
先週はできなかったことが、今週はできた!という時もあるし、
先週はできたのに、今週はできない…という時もあります。
でも私たち教師は
小さい子どもたちはらせん状に習得していくことを知っていますから、
決して焦りません。
いろんな工夫をして、
少しずつでも確実に定着することを考えています。
そしてもっと違うところを細かく観察しています。
そこには毎回と言っていいほど成長や進歩の芽があるのです。
我が子が間違えてしまったり答に詰まったりすると、
不安になるのはお母さまとして自然なこと、反射的なことです。
でも、その不安を子どもたちはとても敏感に察します。
間違えてしまったことをお母さまが不満に感じているのでは?
という子どもたちの側の「不安」が
心を萎縮させてしまい、成長を停滞させてしまいます。
間違えちゃっても、1歩進んで2歩下がっても、
「だいじょうぶ!」と心で魔法の呪文を唱えて
笑顔で迎えてあげてください。
導入期のレッスンは、
お子さんがピアノと友達になって
ふたりで旅する音楽の道のはじまりです。
ふたり並んでかけ足で進む日もあれば
小石につまづいて泣きべその日もあります。
でもお母さま、お父さまは、どんな日も、
そう、晴れの日も曇りの日も、
ピアノと歩くこの道を見守る
あたたかい太陽であってくださいますように。
どんなに優れた教師による優れたレッスンよりも
この太陽こそが子どもたちと音楽をしっかりと結びつけてくれる、
偉大な存在なのです。